どうもAlissaです。
前回お散歩記事を書いたら意外にも多くの人が食い付いてきてくれたので驚いてました。
そのほとんどは僕の前世の日記の読者(でいてくれてたはず)なので、あんなのんびりした文に懐かしさを覚えてくれたんじゃないでしょうか…!
さすがの僕も「あぁ、自分の言葉だな」としみじみしながら、投稿する前に何度も読み返してました。
今後また書きたい事柄が出てきたら、徒然なるままにいろんなことを書いていきたいと
思う所存でございます。
それでは作品紹介に移りたいと思います。
まずは『稲妻(いなづま)』
角度を変えてもう一枚
15cm角友禅紙から、5cm角を3つ横に並べたものになります。
裁ち方図はこう。
実際の紙だとこう。
こけしの柄が怖いね。
狂歌は「稲妻や昨日は東今日は西 祇園朱雀の色に浮かれ」
ポイントは裁ち方図にある黄色の切り込みを、なるべく長く、それでいて千切れないように調節して切ることです。
この稲妻のように、隣り合う2羽の翼とくちばし、つまり2点×2点でそれぞれつながっているようなものは、鶴同士が近くにある為、折るときの紙の可動域がかなり狭まっています。
このときに切り込みを深く入れることで、その分の隙間を引き離すだけの猶予が生まれるので、折り難度はぐっと下がるのです。
1mm深く切るだけでも実はかなり違ってくるんです。
以前紹介した風車でも、隣り合う鶴同士は翼とくちばしでつながっていました。
最後の方の、中心のくちばしを折り上げる段階のところも、あそこで切り込みを深くしてやらないとかなり苦戦します。
mkfalissa.hatenablog.jp
連鶴に慣れてない人の場合、切り込みを深くすると千切れてしまう心配があって、かなり控えめに余白残しがちだったりするんですが、こういう作品に関して言えば、
「ほんまにつながってますのん?大丈夫?」
って思うくらい切ってしまった方が、案外完成できちゃうということもあります。
稲妻が作れなくて困っているという方がいらっしゃいましたら、こんな風にして再チャレンジしてみてはどうでしょう。誰向けの解説だよ。
続いては『青海波(せいがいは)』
上から
ちょっと横から
15cm角友禅紙から1羽5cm角で9等分したものになります。
稲妻が横に3つだけだったのに対し、それをさらに縦にも3つつなげたものになります。
裁ち方図はこう。
実際の紙だとこう。
既に多少の折筋がついていて見辛いですがちゃんと千切れないように切れ込みが入ってますよ!
狂歌は「恋風に帆をあげてゆく玉梓は 青海なみの上をゆらゆら」
「青海波」というのは下のような古来からの伝統的な文様の名前です。どうみてもWi-Fiです。
末広がりの波が幾重にも重なって縁起が良いとされるこの柄は、手ぬぐいとかで見たことがある人も多いんじゃないかなと思います。
ちなみに、ポケットモンスターブラック2・ホワイト2で出てくるセイガイハシティもこの柄の名前が由来です。
というか、ブラック・ホワイトに出てくる街の名前のほとんどは柄の名前が由来になっています。ポケ勢なら常識だよね?
はい。作品に戻っていくんですけれども。
先ほどの状態から鶴を1羽ずつ折り上げていくんですが、
稲妻のときもそうであったように、いやそれ以上に青海波は切れ込みの深さが重要です。
裁ち方図を見てもらえればわかるんですが、真ん中の鶴はその周囲の8羽すべての鶴とつながってます。
1つの点に対して3羽の何かしらが接しているため、かなり窮屈なんです。
それでなくても一番角の鶴でさえ、3羽とつながっています。
当然といえば当然ですが、1つの正方形から鶴を折ったとき、出来上がった完成品のサイズは元の正方形よりも必ず小さくなります。
折り紙ってそういうものでしょ、と感じるかもしれませんが、これが意外とこの作品で効いてくるんです。
説明のために、番号をこのように振っておきます。
5の鶴を細身の状態まで折ったところになります。下の画像のような状態です。
この時、3と7は翼にあたる部分につながっているため上側に、
1と9はくちばしと尻尾にそれぞれつながっているため下側に移動しているのがわかりますでしょうか。
それに伴い、2、4、6、8が上下にまたがるように垂直に引っ張られています。
ここから、5のくちばしと尻尾を折り上げるとこのようになります。
さっきの写真から回転してますすんません。1と9が翼に、3と7がくちばしと尻尾につながってます。
さっきは上下になっていた角の4枚ですが、折り上げることで高さはすべて同じ位置に持ってくることが出来ています。
しかしその代わり2、4、6、8をよく見てみると、5の翼くちばし間の短さに引っ張られて折り畳まれています。
青海波の難しいところはここで、折り終わった鶴の小ささに引かれて、まだ折っていない鶴が余計に折り畳まれるせいで平面を維持できなくなってしまうことにあります。
平面でなくなるということは、真っ平な机の上での折り紙ができなくなるということなんです。
どういう意味かというと、普通折り紙は机の上に置いてピシっピシっと折筋をつけていくものですが、それが出来ない=綺麗な折筋をつけられないというリスクを背負いこむことに同じなのでかなり厄介なのです。
そもそも他の鶴とつながっていて可動域がかなり狭い上に、折筋をつけられないとなるとまともな作品を作るのはかなり厳しいといえます。
僕はこれの解決策として、鶴の基本形(ひし形のやつ)までは最初の時点で折筋をつけておいて、鶴を折っていく段階ではほとんど折筋をつけないようにしています。
事実、上で見せたまだ鶴を折っていない状態の紙で既に鶴の基本形までの折筋がついているのがわかるかと思います。
というかさらっと流してるけど、くちばしと尻尾を折り上げるのもかなり難しいんです。
下側にあった2、3、6あるいは4、7、8の3枚を一気に持ち上げながら折るのですが一番の失敗多発地帯なんですここが。
思うように紙を引っ張れなくてよく千切れるので、5の鶴を折り上げられるか否かが青海波の完成の分かれ道といっても過言ではないでしょう。
5の形を整えて次は8です。(2、4、6、8の内どれでも良いです)
注意する点も5よりは少なく、つながっているのも5羽なので比較的楽です。
ここから先は同じような折り方の繰り返しなので、gifで一気に完成まで行っちゃいましょう!
結構な苦労をこうやって早送りするのは気分いいものではないですね!
そして最後に頭を折りつつ、形を整えれば完成!
いやこれ、かなり難易度高いんですよ見た目以上に。
過去の自分も
連鶴「青海波」を折りました
— Alissa (@mkfAlissa) February 4, 2016
短歌は「恋風に帆をあげてゆく玉梓は青海なみの上をゆらゆら」
中心の1羽は他の全ての鶴と繋がってます
こいつを綺麗に折れる人の気が知れません僕はもう一生折りません pic.twitter.com/Vry2Fpc7kR
こんな風に言ってますし。一生折らないとか言ってまた折ってますやん。
そして今回の二つをぱしゃり。
さすがに大きさに差があるね。
いかがでしたでしょうか。
秘傳千羽鶴折形のなかでも4番目に羽数が多く、難易度も高い青海波をご紹介しました。
そろそろいい頃合いになってきたので、秘傳千羽鶴折形からの紹介ではなく、少しづつ今自分がやっている方の連鶴にシフトしていこうかなとひそかに考えてたりします。
ただこのブログのためにかなり普通の連鶴ばかり折っていたので”今”やっているかというと全然そんなことはないのでアイデアが抜けきって搾りカスになってます。
これもまた順をおって簡単な方から紹介していこうかなと思います。
久々にインスタも更新。3か月ぶり!アホなの?
以上で今回の記事は終わりです。ここまで読んでくださりありがとうございました。