Alissaの見聞録

Alissaの見聞録

紙を折ったり夜空を眺めます

力強く走る話

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この度の石川県能登半島地震に被災された方々に心よりお見舞い申し上げます。
現在も厳しい状況が続いているとは思いますが、一日でも早く復旧することをお祈りしております。

2023年の総まとめとして本記事を書いていましたが、
このような形で交通インフラの重要性を再認識することになるとは思いもよりませんでした。
今もなお人命救助に尽力されていらっしゃる各方面の関係者の方々に多大なる感謝の念を抱いております。
記事は2023年の被災前の状態を写していますので、思うところがある方もいらっしゃるかもしれませんが、少しでもこの記事が暇つぶしにでもなればと思い、公開したいと思います。

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今年もよろしくお願いします。
Alisssaです。

2023年もいろいろなことがありました。
仕事、プライベート、充実した日々を送らせていただきました。

特に、「大人の自由研究」と称して、気になった事柄を一年間通して調査する活動を個人的に行っていたのですが、これがまたとても面白かったのでここにレポートとして残しておこうかと思います。

2023年のテーマは「鉄道」。

この研究のモットーとしては「普段自分が何気なく利用しているモノの理解を深める」こと。

鉄道(今ではその多くに電車が使われています)は「普段自分が何気なく利用している」最たる例だと思い、今回調べるに至ったわけです。

 

馬車などの単純な仕組みならまだしも、自動車の自動運転が実現目前であるような昨今、その技術は一般の人々が簡単に理解できるような代物では無くなってきています。
ですが、我々はそういった技術をうまく利用して、生活を豊かにすることが出来ている。

この食い違いに、自分は課題意識を強く感じています。

理解が及ばない高度な技術にもかかわらず、利用はできて、自信の生活の向上には役立てている。

駅などと呼ばれる建物に行ってしばらく待っていると、目の前に鉄の箱が滑り込んでくる。
何の気なしにその鉄の箱に乗り込むと、不思議と自分が行きたかった目的地の近くの駅という建物に着いてしまう。

そんな魔法のような世界だと思ってやしないか。

いや、魔法でもなんでもなく、これは先人の技術の結晶であり、
自分のような何も考えてない人間がその技術を簡単に享受できていいはずがない。

なぜこの鉄道が動くのか。いかにして目的地まで安全に走ることができるのか。

そういった原理を、技術を学び、自分の知識とすることで、
我々が利用している鉄道の解像度を少しでもあげようと考えたのです。


まぁただ、実際に行ったこととしては、各地に赴いて景色を見たりとか、レクリエーションのついでにちょっとした調べものだったりとか、楽しい旅行半分みたいなものばかりでしたが。

それでも、自分の中では多くの学びを獲得できたと思っていて、
明らかに2022年までの自分とは知識も意識も変わっているといえます。

勿論、いわゆる鉄道オタクの方や関係者・有識者から見れば「そんなこと常識だろ!」と怒られてしまうようなめちゃくちゃ基礎の基礎の事ばかりしか学んでないのですが、
逆に言えば、今までそういう基礎を知らなった人間がそういう知識を獲得して「もっと知りたい!」となるきっかけにもなりましたし、
もっと言うと、それまではそんな基礎すら知らなかった人間でも交通インフラとして鉄道を利用できてしまう、洗練された偉大な技術の結晶がそこにあるということが再認識できたともいえるでしょう。

そんな何も知らなかった人間が1年間で体験した、いろんなレポを良ければぜひご覧ください。

こちらの記事ですが、33000文字ある最強の一人語りになっております。
ご興味のある方は適宜目次を活用して読んでみてください。



続きを読む

デザインフェスタ(ハンドメイド販売イベント)に出展する話

お久しぶりです。
Alissaです。

最後の更新から2年半経ちました。
当時高校1年生だった方が今は大学生になっているという計算ですね。

これまでずっと記事が書けなかったのも、
こちらの記事で紹介したハンドメイドショップでありがたい事にたくさんのお仕事をもらっており、多忙の日々を極めていたからなんです。

mkfalissa.hatenablog.jp


ではなぜ今回この記事を書くに至ったかというと・・・

ハンドメイド販売のイベントに出展することになりました!

詳細を下に書いていきます。

イベントについて

イベント名:デザインフェスタ57

DESIGN FESTA | デザインフェスタ

 designfesta.com

オフィシャルサイト

デザインフェスタ(通称デザフェス)はモノづくり作家のみならず、音楽アーティストやパフォーマーなど、さまざまな「クリエイター」が集まる特大アートイベントです。
出展ブースは6000を超え、来場者数も前回開催時には2日間合計で約6万人を記録するなど、業界でも最大級の人気を誇るイベントとなっております。

日時:5/20(土),21(日) 11:00 〜 19:00
下にも記載はしますが、デザフェス自体は両日とも開催していますが、我々が参加するのは5/21(日)のみですのでご注意ください!

会場:東京ビッグサイト

入場料:1日券なら前売り800円、当日1000円でお買い求めいただけます。こんなに大きなイベントでこの値段は安い!

designfesta.com

我々の出展ブースについて

出展名:雅つる~Mitsuru~
折り鶴を使ったアクセサリー、雑貨を販売予定です。
特に、連鶴を使った作品やUVレジンを活用した作品を取り扱っており、他のお店にはないような魅力たっぷりの鶴ちゃんたちが勢ぞろい!
折り鶴に特化したこのお店ならではの作品たちをお手に取ってみてはいかがでしょうか。

作品例:
ピアス・イヤリングだけでなく、ヘアーアクセや雑貨も取り揃えています。
特に今回は連鶴を多く作品化して、他のお店にはない鶴ちゃんだけの世界が広がっています!
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出展日時:5/21(日)のみ 11:00 〜 19:00
1日のみの出展となりますが、ご都合よろしければぜひ来ていただけると嬉しいです!

ブースエリア:南館4F P-139
入場時に案内パンフレットをもらえますので参考にしてください。

 

さいごに

初の大型イベント出展なので、緊張も最高潮です。
沢山の人の目に触れる機会なので、作品を通じて多くの方に対して折り紙の魅力を伝えていきたいです。

このショップのコンセプト・テーマは『折り鶴を日常に』。

多くの人にとって、
小さい頃に遊びで触れたことはあるけれど、成長してからはほとんど目にすることもなくなった、『折り紙』。
そんな『折り紙』が、あなたの『日常を彩ってくれる大切なパートナー』になってくれるとしたら?

折り紙は、小さい子供が遊ぶためだけの玩具ではない。
折り紙は、限られた作家だけが作る芸術品でもない。

折り紙は、あなたの傍にいて、あなたの日常にひとかけらの輝きをプラスしてあげられるんです。

そんな折り紙の魅力を、雅つると小さな折り鶴ちゃん達が届けます!

ぜひイベントに、雅つるのブースに足を運んでみてください!
沢山の魅力あふれる鶴ちゃん達とお待ちしております!!

折り鶴のネットショップを開設した話

メリークリスマス!Alissaです。

皆様の元にはサンタさんからのプレゼントは届きましたでしょうか。
僕のところには、体調不良が届けられました。ガッデム!(コロナの心配はなさそうなのでご安心を)

ハンドメイドショップの紹介

そして本日は僕からも皆様に向けて、プレゼントのような報告をさせていただきたいと思います。


折り鶴アクセサリーのお店を開設しました!


お店の名前は
雅つる 〜Mitsuru〜」っていいます。
名前だけでも覚えていっていただけたら幸いです。

今は主に折り鶴をピアスに加工した商品をメインに販売しています。

作成と管理は僕ともう一人の二人で行なっています。


以下の3サイトで販売を行っています!
ぜひ覗いてみて下さい!

・メル
カリ

https://www.mercari.com/jp/u/405934697/


ラクマ

fril.jp

 
・minne

minne.com

 

それから、広報用のSNSアカウントも開設してます!
Twitter

twitter.com


Instagram

https://www.instagram.com/mitsuru_origami/

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商品紹介

商品の紹介もここで少ししたいと思います。

スタンダードな折り鶴ピアスです。写真の2つは友禅和紙を使ったものです。
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折り鶴はみなUVレジンという樹脂でコーティングしてあるので、
防水性も耐久性もバッチリです。

他にも、しずく型のフレームと組み合わせたり、

鶴の下に毛糸のタッセルをぶら下げたアレンジものも出品してます。


それから、連鶴《妹背山》のピアスも出品してます!

普段から僕のブログを読んでくださっている方であれば連鶴を知っている方も多いとは思いますが、
もし「この記事で連鶴作品を初めて見た」という方がいらっしゃったら、ぜひ僕の他の記事も読んでみてください!


商品のバリエーションは他にもあるので、実際にお店の商品ページも見てみてください♪


まとめ

今回の記事は紹介だけにとどめようと思います。
あんまり長く語るよりも、商品を見ていただいて、それから気に入ったものがあれば買っていただく、
その方が僕も皆様もwin-winだと思いますから。


このようなご時世だからこそ
せっかく外出する際は、さりげないワンポイントにもこだわっておしゃれしたいですよね。

そんな思いに、小さな鶴と僕たちが応えます!

ぜひお買い求めください!
何卒よろしくお願いいたします!

連鶴 三角形と正四面体 後編

どうもAlissaです。

今回の記事は以下の2つの続きになりますので、まだお読みでない場合はこちらから読むことをオススメします。

mkfalissa.hatenablog.jp

mkfalissa.hatenablog.jp

 



今回の記事も長いですがぜひ読んでいっていただけたら嬉しいです。

  

おさらい

前編の記事では、三角形の連鶴と、正四面体の連鶴を作成しました。

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中編では、菱形の鶴を使えば効率よく三角形の連鶴を作ることができるというお話をしました。
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後編の今回は、正四面体を作る際に効率化可能な箇所についてお話ししたいと思います。

正四面体の裁ち方図の改良

前編で正四面体を作る時には、このように2つの三角形を重ね折りしてくっつけて・・・を繰り返していました。

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菱形鶴を使った場合ではこう。
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この重ね折り、無駄ですね!


わざわざ2つの三角形を重ねることをしなくても、最初から2つくっついた状態の紙を用意すればいいのです。

つまりこのような裁ち方図で折ればいいということです。

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菱形3つから成る六角形が、横に2つ繋がっています。

この図のグレーの線が鶴の両翼、すなわち図形の辺に相当しますが、

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この形になっていることがわかると思います。

このような裁ち方図は一枚の紙に落とし込むことができるので、
上のように2つ三角形を重ね折りでくっつけて・・・ということをせずとも、
一枚の紙でこの図形を作ることができちゃいます。



さらに、正四面体にするために、もう一つ三角形を重ね折りしていましたね。

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これも、さらにくっついた状態にしてしまいましょう。
裁ち方図はこんな感じです。

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先ほどの裁ち方図にさらに六角形が1つ繋がっています。

グレーの部分だけを抜き出してみれば、

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やはりこのような形をしていることがわかります。

もちろんこの裁ち方図も一枚の紙で作ることができます。



そしてここから、下の2つを重ね折りして立体的な正四面体にしたんですよね。


その重ね折りについても裁ち方図に書き表すとこうです。
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左右反転した番号がついていますがこれは、

1番の2つの菱形を、数字の上下左右が一致するように重ねる、という意味です。

つまり、

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赤の矢印どうし、青矢印どうしが重なるように折るということです。

真ん中でパタンと畳んで、縦にしながら重ねるイメージですね。

1番の菱形にある黒丸(鶴の頭部を表す)どうし、重なることもわかるかと思います。



ここまでの改良で、前編では3枚(3色)の折り紙を用いて作った正四面体を、
裁ち方図上で一枚の紙で表現できることがわかりました。

それでは今から、改良版の正四面体を実際に作ってみましょう!

正四面体を作る

今回はダイソーで見つけた幾何学模様の折り紙を使っていきたいと思います。
紙が白いので背景は黒画用紙を使っております。
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さて、こちらの紙を先ほどの裁ち方図のように切り出します。
60°の正三角形タイルが敷き詰められている模様なので、楽に切り出せますね。
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切れ込みを入れるとこうなります。
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それぞれの菱形の長い方の対角線を折っておいて、(裁ち方図のグレーの線を折ります)
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これは鶴の両翼はこの向きで折るのだと頭の中で想像している感じですね。
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さて、鶴を折っていきます。
真ん中一番上を折り、
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真ん中2羽で三角形ができ、
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左右端の2羽までは普通に折ります。
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ここから、残っている2つの菱形で重ね折りをして1羽の鶴を折りあげます。
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この図の1番をひねって重ねるわけですね。

ただ、なんとも申し訳ないのですが、この重ね折りをする瞬間の写真を撮っていなかったので、そのまま完成写真になります。
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少し角度を変えて
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いかがでしょうか!
これが菱形鶴による正四面体の連鶴です!

前編で作成した、正方形による正四面体の連鶴と比べてみていかがでしょうか。
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1羽1羽の形がシャープなので、より立体感が際立っていますね。


もちろん、先ほど言ったように一枚の紙で作れるようにしつつ、重ね折りの数を減らしているので、無駄な部分がかなり少なくなってます

作品の見栄えは上がり、作成の負担も減らせて一石二鳥です。

こういう省エネ、どの分野でも大事ですね。



さらに、こちらのような正四面体のユニット折り紙を用意します。

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このユニットは布施知子さんのこちらの書籍に掲載されているものを使わせてもらっています。
折り方などの詳細が知りたい方はお買い求めください。普通に色々便利だし楽しいです。

 

このユニットを先ほどの連鶴の中に埋め込んじゃいます。
形をわかりやすくするためと型崩れ防止のためです。
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真上から
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正四面体の形がよりくっきりと浮かび上がって見えます。

まとめ

いかがでしたでしょうか。
3回にわたる立体連鶴の作品紹介ですが、めちゃくちゃに記事を書くモチベが上がらず、3ヶ月ちょっとかかってしまいました。

なるべくわかりやすく、なるべく詳細に・・・など
考えながら図を作ったり補足で鶴を折ったり。
記事を書いては休憩したり、書き直しては別のことをやり始めたりと、なかなか進まない手のかかる奴らでした。

どうしても、これまでと違って新しい事柄が出てきつつ、それでいてパッと見で理解し辛い立体図形ということで、慎重にならざるを得なかった訳です。


ただ、逆に言えば重要なことはほぼほぼこれで書き切ったので、
これ以降はこの記事たちを参照する形で進めていけるってスンポーです。



この立体の連鶴ですが、
もちろん(?)僕個人の完全オリジナルってわけではないです。

他にも僕以上にいろんな立体連鶴作品をあげておられる方はいらっしゃいます。(面識もないですので名前をあげるわけにはいきませんが)

僕としては、そういった方々のパクリをしたいわけではなく、なるべくオリジナル色を出しつつ活動したいので、
例えば、「裁ち方図を含めたこのブログの記事そのもの」に関しては、一応僕の作ったものの一つと考えてもいいんじゃないかと思っております。

まぁ、今回の正四面体であれば簡単に思いつくようなものですから、
これ以降はもっと難しく多様な図形をモチーフにしたオリジナル作品を紹介できればなと思います。


おまけ

それから、近いうちに準備が整いそうなので、先に宣伝しておきます。

こちらの記事で話題にしましたが、鶴を使ったアクセサリーをオンラインショップで販売していこうかと思っております。

mkfalissa.hatenablog.jp


とりあえず今は、こんな感じのピアスを色や柄を変えて量産しているという段階です。

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アクセサリーの種類やラインナップは、順調に販売が進めば増やしていこうかなと思ってます。

ショップを開設した際はこちらのブログでも紹介するので、楽しみにして頂けたら幸いです




以上で今回の記事は終わりになります。ここまで読んでくださりありがとうございました。

連鶴 三角形と正四面体 中編

どうもAlissaです。

前回あげた記事の続きになります。
まだお読みでない場合はこちらから読むことをオススメします。

mkfalissa.hatenablog.jp

今回の記事も長いですがぜひ読んでいっていただけたら嬉しいです。



前回の記事のおさらい


前回の記事では、鼎という作品を派生させることで、翼どうしで三角形になる連鶴を作りました。

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さらに、この三角形を3つ使って重ね折りをすると、なんと立体図形の正四面体の連鶴までも作ることができました。

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とても面白い作品ではありますが、実はちょっと非効率なところがあるんです。

今回の記事は、その非効率な部分を手直ししていくという趣旨になっています。

非効率な箇所とは

単刀直入に言います。
「3羽で三角形作るのに4羽分の鶴使うの非効率すぎません!?」

こういうことです。前回はこのように4つの正方形を切り出し、それを重ね折りすることで3羽の三角形になるように折っていました。

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なぜそんなことをしているかというと、この記事でも言及した通り、

mkfalissa.hatenablog.jp「対角線どうしがつながっている」「3つの正方形」は2次元平面では絶対に作り出せないからです。



どちらかの条件を緩和させるなら話は別です。

例えば、1つ目の「対角線どうしがつながっている」を緩めれば、このように「3つの正方形」を繋げることは可能です。

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ただ、この状態で折っても綺麗な三角形にはなりません。それに、紙が点で繋がっていますので耐久性にも難ありです。


2つ目の「3つの正方形」という条件を緩めるならば、それは即ち前回のように4つの正方形を重ね折りして三角形を作るという方法に他なりません。

最後の条件

では、三角形鶴を重ね折りなしで作ることはできないのでしょうか。


実は緩められる条件がまだ残っています。「正方形」という条件が。

正方形という条件を、「菱形」に緩めれば、
「対角線どうしが繋がっている」「3つの菱形」は2次元平面において作図が可能になります。


論より証拠。

使うのはこの60°,120°の菱形

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そしてこの菱形をぐるりと3つ配置したのがこの図。

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ちゃんと2次元平面上で「対角線どうしが繋がっている」「3つの菱形」の条件を満たしているのがわかります。

このように作図をすれば、問題は解決ってことですね!!!


残る課題

・・・本当に解決してますか?

いや実は、まだこのままじゃダメなんです。課題が残ってます。

そもそも何をやろうとしてたのかと言うと、

「3羽の鶴が翼でつながっている三角形の連鶴を折るのに、4羽を重ね折りして作るのは非効率でしょ!どうにかなんないの!ぷんすこ!!」
「まぁまぁ、最初の図をどうにか変えれば3羽の状態で折れるかもしれないですから・・・」

といった感じで進めてきました。


そうです。次の課題はこちら。

正方形を勝手に菱形に変えちゃったけど、そもそも
これで鶴折れるの?


普通、鶴といえば、と言うか折り紙って基本は正方形から何かを折りだすものですよね。

その常識が破れるようですが、実は、鶴って菱形の状態からでも折ることができるんです。

その折り方を今から説明していきます。


菱形の紙から鶴を折る

それでは実際に菱形鶴を折ってみたいと思います。かなり長くなるので読み飛ばしてもらっても構いません。

比較のために正方形の鶴も横に置いて折っていきます。

2枚の紙を用意しました。今回はなんのことはない普通の折り紙です。
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オレンジの方をこんな形に切り取ります。
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もちろん先ほどお見せしたこの角度の菱形と同じ形です。
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それではいきましょう。

真ん中を横半分に折ります。
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さらに縦半分に折ります。
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袋になっている上の一枚を開いてたたみます。
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正方形の場合、開いたカドと下のカドを合わせるだけでいいのですが、
ひし形の場合下のカドが短いため、真ん中の折り線上にカドが来るようにします。
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裏側も同じように。
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この工程、折り紙やってない人にとってはかなり難しいらしいですね。
友人たちに鶴を折らせると大概まずここで詰んでるので、内心笑いながら優しく教えてあげたりしてます。

フチを真ん中の線に合わせて折ります。
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カドを結ぶ線で折り下げます。
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開きます。
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難関その2。折り筋に沿って上の一枚を開いてたたみます。
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途中。ひし形の方はカドを結ぶ線で谷折りします。
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裏側も同様に
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フチを真ん中に合わせて折ります。
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裏側も同様に
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中割り折りをします。
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くちばしを中割り折りして
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翼を広げると
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菱形鶴の完成です!
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上から見たらこう。
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2つ並べてみるとわかりやすいですが、菱形鶴は正方形鶴に比べて
翼が長く尻尾とくちばしが短いです。

折り始めをこのように縦長にすれば、逆に翼が短く尻尾とくちばしが長い鶴になりますが、使い勝手が悪いので基本はさっきの方で折ります。

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菱形鶴で三角形を作る

さて、菱形鶴の折り方を折り紙本のごとく事細かに説明しました。

元々の課題はといえば「三角形の連鶴を作るのに正方形では非効率なので、菱形鶴を利用しよう」というものでした。

つまりは、このように菱形を並べた裁ち方図とすれば、無駄なく三角形の連鶴を作ることができます。

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灰色の線が菱形鶴の対角線=両翼の方向、黄色い線が切れ込み、丸が菱形鶴の頭に相当します。

実際の紙だとこうです。
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見辛いですがベンツのマークみたいに切れ目が入っていて、上・右下・左下の3点で少しだけ繋がっています。
3つに分かれている部分それぞれで菱形鶴を折ります。


先ほど菱形鶴の折り方の詳細な説明をしたので途中は省きますが、完成するとこのようになります。
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上からみるとこんな感じ
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見事に三角形の形状をしています!

それでいて、形状そのまま折っているので、重ね折りは発生していません。

これはとても重要なことです。

いつぞやの記事でも触れましたが、重ね折りがないというだけで作品の完成度が格段に上がります。

特に、この図形連鶴のように対称性が高い作品は、重ね折りをしている鶴はそれだけで浮いちゃうんです。

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前のこの作品も、下の鶴が重ね折りをしているので少しだけ厚ぼったく、どうしても目立ってしまうんです。(まぁ、気にならない範囲といえばそうかもしれないですが)


小さな変化ではありますが、鶴の数が増えるこれ以降の作品ではより重要になる変化です。


また、菱形鶴にしたことで翼が細長くなったので、全体としてフォルムがシャープになってます。f:id:mkfalissa:20200913214215p:plain

比べてみても鶴のくちばし同士が干渉せずに、三角形状に繋がっていることが際立って見えます。


菱形鶴、万々歳ですね!

まとめ

前回の記事では、連鶴で三角形を作れること、そして三角形を使って正四面体も作れることをお話しました。

そして今回の記事では、
三角形を作る際は、菱形鶴を使えばより効率的に、そして形の整った作品にすることができることをお話しました。

特に菱形鶴の考え方は、今後いろんな場所で利用できる価値があるので、みなさま必見でございます。


そして、次の記事では、
正四面体にする際にまだ効率的にできる箇所があるでしょうが!!!
というお話をします。

次の記事でひとまず図形連鶴の入門、正四面体の連鶴については終わりになります。(多分)
ですので、また長くなってしまいそうな気がしますがそちらも読んでいただけたら幸いです。本当に頑張って記事書きます。



以上で今回の記事は終わりになります。ここまで読んでくださりありがとうございました。