どうもAlissaです。
令和になりましたね。二週間くらいさぼっている間に元号が変わってしまいました。
創作折り紙の界隈では元号発表から最速で折り紙で令和の文字を折るチャレンジなどが行われていたようですが、僕はそんなことは出来ないので静かに見守っておりました。
一応、令和の文字の形につながった連鶴を考えてはみましたが、普通に出来栄えが悪くなってしまいそうだったのでやめました。
今回の記事では多めに四つの作品を紹介したいと思います。
まずは『龍膽車(りんどうぐるま)』
友禅紙15cm角から、4分割して7.5cm角のものを4羽、翼同士でつながっています。
上から
見てわかる方もいらっしゃるかもしれませんが二回目の記事に出てきた妹背山をぐるりと一周したような作品です。
狂歌は「偲ぶてふ龍膽車くるくると 寝屋のあたりを行きつ戻りつ」
裁ち方図はこう。互いの羽がつながっている部分の半分までを切ると龍膽車になります。
リンドウといえばお花ですよね。
この花をモチーフにした「竜胆車」という家紋がこの作品の由来だと思われます。
竜胆車の家紋情報|家紋検索No.1/家紋ドットネット|日本最大 家紋7,000種以上を掲載!!
なるほど確かに花と葉の数こそ多いですが雰囲気はとても良く似ていますね。
次は『四ツの袖(よつのそで)』
これも友禅紙7.5cm角を4羽、翼の先端のみでつながってます。以降も同様の紙と大きさが続きます。
狂歌は「夜桜や匂い余りて初夜も過ぎ 四つの袖から恋風ぞ吹く」
さっきの龍膽車と似たような形をしていますが、切れ込みの入り具合が違います。
この裁ち方図のようにギリギリまで切れ込みを入れることで鶴同士の可動域が広がるので、みんなの顔を寄せ集めることが出来るのですね。
次は『楽々波(さざなみ)』
こんどは逆に翼ではなく、くちばし同士で4羽がつながっています。
狂歌は「唐崎の松は花より朧にて 晴れぬ思いの心楽々波」
裁ち方図はこう。
最後は『風車(かざぐるま)』
四ツの袖と楽々波を合わせたような、4羽が翼とも、くちばしともつながった作品になります。
裁ち方図はこうです。
この作品、見た目はさっきまでとほとんど変わらないくせに、難易度が爆上がりするんです。今回は、詳細なコマ撮りとともにこの作品の解説をしていこうかと思います。
めちゃくちゃ長くなるので読みたい方のみどうぞ。
まずは最初の状態。切れ込みが見辛いですがちゃんと裁ち方図のように入ってます。
ここから4つとも四角に折り畳んであげます。
鶴の基本形のための折筋の一つを4つとも折ります。
次が少し特殊で、青丸の部分を普通のように鶴の基本形の折筋を進めようとすると、隣の鶴とつながっているためうまく折れません。(もちろんできないことはないですがきっちりと折筋をつけるのは難しいです。)
そこでいったん少しだけ紙を開き、長方形にしてからこのように斜めに折ります。
反対の斜めも折ります。
戻すと、このような斜めの折筋がついているのがわかります。
真横の青線と、45°の青線の角の二等分になるような折筋です。
さらに一番最初の正方形まで開いてみるとこんな感じに。
同じような折筋を縦にも入れてやると、段々それっぽくなってきます。
また4つを四角に折って、斜め線と辺の交点同士を結ぶ三角を折り下げれば、
鶴の基本形までの折筋がこれでついたことになります。
裏から見るとより分かりやすいかと思います。
一応図示しておくと、鶴の基本形の折筋は左の手裏剣のような形です。右が折り畳んだ後の鶴の基本形です。
ここからさらに細身にしなければならないのですがこれもまた厄介。対角線の2羽づつ折っていきます。
まずはこの黒矢印の2つだけを鶴の基本形で畳んで、それによって引っ張られてきた2つで挟むように畳みます。
こんな感じ。ひし形の半分は中に収納されてます。
中を覗くとちゃんと鶴の基本形が入ってます。ホタテみたいだね。
外に出ているひし形を2つとも細身にします。
内側に指を入れて反対側も細身にしても良いですが、このように裏返しにして
それから細身にすれば簡単。
いったん全部開き、逆の対角線の2つも同じように細身の折筋をつければ、折筋はこれでほぼ全部つきました。あとは鶴の形にしていくだけです。
はい。だけです、とか言いましたがこの作品の一番の難所がここからです。横方向の翼と前後方向の頭がつながっているため、お互いが引っ張り合ってしまって成形が非常に困難なのです。これが折れれば立派な連鶴マスターなので、皆さんも挑戦してみてください。
4つを鶴の基本形まで畳みます。
裏から見るとこんな感じ。
外側の、つながってない方の尻尾を折り上げておきます。先にこっちを折っておくのは割と重要で、この先の頭を折り上げる際に鶴の形を維持してくれる働きがあります。まぁ細かいことなのでどちらでもいいんですけど。
中心の4つの頭を細身にしてから…
スピード勝負!
一気に丸ごと全部持ち上げます。首の根元を横に広げておいてから、
真ん中を指で押し上げます。多少変な形になってでも素早く行うことが大事。ブログ初指
途中を裏から。
へこんでいた中心をいったん全部押し上げきってから、
首を整えしっかり折筋をつけてから翼を広げると、お互いが動ける猶予ができて細かな調整が可能です。
翼とくちばしの切れ込みを深く入れると作品としての出来が良くなります。僕はいつも折り始めはあまり切りすぎず、最後のこのタイミングくらいで切れ込みを深くする方法をとっています。最初から深くすると、折り途中で千切れる心配があるからです。
最後に、頭を折ってあげて全体の形を整えれば、連鶴『風車』の完成です。
この作品のように、つながり方によっては鶴同士が干渉してしまうため、通常とは違う方法で折筋をつけたり成形をしなければならない作品が多く登場します。今までは基本的に一点のみで2羽程度の鶴同士がつながっているものばかりだったのですが、もっともっと意味不明なつながり方の作品も出てくるので楽しみにしていただけたら嬉しいです。
風車の解説は以上です。お疲れ様でした。(主に自分が)
いかがでしたでしょうか。死ぬほどボリューミーな記事になってしまいましたがこの記事のどこから「楽しみ」を見出せばよいのでしょうか。自分でも理解し兼ねます。
久々にインスタグラムにも作品を投稿したのでよければ覗いてみてください。
以上で今回の記事は終わりになります。ここまで読んでくださりありがとうございました。