どうもAlissaです。
前回あげた記事の続きになります。
まだお読みでない場合はこちらから読むことをオススメします。
mkfalissa.hatenablog.jp
今回の記事も長いですがぜひ読んでいっていただけたら嬉しいです。
前回の記事のおさらい
前回の記事では、鼎という作品を派生させることで、翼どうしで三角形になる連鶴を作りました。
さらに、この三角形を3つ使って重ね折りをすると、なんと立体図形の正四面体の連鶴までも作ることができました。
とても面白い作品ではありますが、実はちょっと非効率なところがあるんです。
今回の記事は、その非効率な部分を手直ししていくという趣旨になっています。
非効率な箇所とは
単刀直入に言います。
「3羽で三角形作るのに4羽分の鶴使うの非効率すぎません!?」
こういうことです。前回はこのように4つの正方形を切り出し、それを重ね折りすることで3羽の三角形になるように折っていました。
なぜそんなことをしているかというと、この記事でも言及した通り、
mkfalissa.hatenablog.jp「対角線どうしがつながっている」「3つの正方形」は2次元平面では絶対に作り出せないからです。
どちらかの条件を緩和させるなら話は別です。
例えば、1つ目の「対角線どうしがつながっている」を緩めれば、このように「3つの正方形」を繋げることは可能です。
ただ、この状態で折っても綺麗な三角形にはなりません。それに、紙が点で繋がっていますので耐久性にも難ありです。
2つ目の「3つの正方形」という条件を緩めるならば、それは即ち前回のように4つの正方形を重ね折りして三角形を作るという方法に他なりません。
最後の条件
では、三角形鶴を重ね折りなしで作ることはできないのでしょうか。
実は緩められる条件がまだ残っています。「正方形」という条件が。
正方形という条件を、「菱形」に緩めれば、
「対角線どうしが繋がっている」「3つの菱形」は2次元平面において作図が可能になります。
論より証拠。
使うのはこの60°,120°の菱形
そしてこの菱形をぐるりと3つ配置したのがこの図。
ちゃんと2次元平面上で「対角線どうしが繋がっている」「3つの菱形」の条件を満たしているのがわかります。
このように作図をすれば、問題は解決ってことですね!!!
残る課題
・・・本当に解決してますか?
いや実は、まだこのままじゃダメなんです。課題が残ってます。
そもそも何をやろうとしてたのかと言うと、
「3羽の鶴が翼でつながっている三角形の連鶴を折るのに、4羽を重ね折りして作るのは非効率でしょ!どうにかなんないの!ぷんすこ!!」
「まぁまぁ、最初の図をどうにか変えれば3羽の状態で折れるかもしれないですから・・・」
といった感じで進めてきました。
そうです。次の課題はこちら。
正方形を勝手に菱形に変えちゃったけど、そもそもこれで鶴折れるの?
普通、鶴といえば、と言うか折り紙って基本は正方形から何かを折りだすものですよね。
その常識が破れるようですが、実は、鶴って菱形の状態からでも折ることができるんです。
その折り方を今から説明していきます。
菱形の紙から鶴を折る
それでは実際に菱形鶴を折ってみたいと思います。かなり長くなるので読み飛ばしてもらっても構いません。
比較のために正方形の鶴も横に置いて折っていきます。
2枚の紙を用意しました。今回はなんのことはない普通の折り紙です。
オレンジの方をこんな形に切り取ります。
もちろん先ほどお見せしたこの角度の菱形と同じ形です。
それではいきましょう。
真ん中を横半分に折ります。
さらに縦半分に折ります。
袋になっている上の一枚を開いてたたみます。
正方形の場合、開いたカドと下のカドを合わせるだけでいいのですが、
ひし形の場合下のカドが短いため、真ん中の折り線上にカドが来るようにします。
裏側も同じように。
この工程、折り紙やってない人にとってはかなり難しいらしいですね。
友人たちに鶴を折らせると大概まずここで詰んでるので、内心笑いながら優しく教えてあげたりしてます。
フチを真ん中の線に合わせて折ります。
カドを結ぶ線で折り下げます。
開きます。
難関その2。折り筋に沿って上の一枚を開いてたたみます。
途中。ひし形の方はカドを結ぶ線で谷折りします。
裏側も同様に
フチを真ん中に合わせて折ります。
裏側も同様に
中割り折りをします。
くちばしを中割り折りして
翼を広げると
菱形鶴の完成です!
上から見たらこう。
2つ並べてみるとわかりやすいですが、菱形鶴は正方形鶴に比べて
翼が長く尻尾とくちばしが短いです。
折り始めをこのように縦長にすれば、逆に翼が短く尻尾とくちばしが長い鶴になりますが、使い勝手が悪いので基本はさっきの方で折ります。
菱形鶴で三角形を作る
さて、菱形鶴の折り方を折り紙本のごとく事細かに説明しました。
元々の課題はといえば「三角形の連鶴を作るのに正方形では非効率なので、菱形鶴を利用しよう」というものでした。
つまりは、このように菱形を並べた裁ち方図とすれば、無駄なく三角形の連鶴を作ることができます。
灰色の線が菱形鶴の対角線=両翼の方向、黄色い線が切れ込み、丸が菱形鶴の頭に相当します。
実際の紙だとこうです。
見辛いですがベンツのマークみたいに切れ目が入っていて、上・右下・左下の3点で少しだけ繋がっています。
3つに分かれている部分それぞれで菱形鶴を折ります。
先ほど菱形鶴の折り方の詳細な説明をしたので途中は省きますが、完成するとこのようになります。
上からみるとこんな感じ
見事に三角形の形状をしています!
それでいて、形状そのまま折っているので、重ね折りは発生していません。
これはとても重要なことです。
いつぞやの記事でも触れましたが、重ね折りがないというだけで作品の完成度が格段に上がります。
特に、この図形連鶴のように対称性が高い作品は、重ね折りをしている鶴はそれだけで浮いちゃうんです。
前のこの作品も、下の鶴が重ね折りをしているので少しだけ厚ぼったく、どうしても目立ってしまうんです。(まぁ、気にならない範囲といえばそうかもしれないですが)
小さな変化ではありますが、鶴の数が増えるこれ以降の作品ではより重要になる変化です。
また、菱形鶴にしたことで翼が細長くなったので、全体としてフォルムがシャープになってます。
比べてみても鶴のくちばし同士が干渉せずに、三角形状に繋がっていることが際立って見えます。
菱形鶴、万々歳ですね!
まとめ
前回の記事では、連鶴で三角形を作れること、そして三角形を使って正四面体も作れることをお話しました。
そして今回の記事では、
三角形を作る際は、菱形鶴を使えばより効率的に、そして形の整った作品にすることができることをお話しました。
特に菱形鶴の考え方は、今後いろんな場所で利用できる価値があるので、みなさま必見でございます。
そして、次の記事では、
正四面体にする際にまだ効率的にできる箇所があるでしょうが!!!
というお話をします。
次の記事でひとまず図形連鶴の入門、正四面体の連鶴については終わりになります。(多分)
ですので、また長くなってしまいそうな気がしますがそちらも読んでいただけたら幸いです。本当に頑張って記事書きます。
以上で今回の記事は終わりになります。ここまで読んでくださりありがとうございました。