どうもAlissaです。
コンスタントに訪問者が増えてきています。素直に感激。
ただ、一つの記事にかける時間もそれに比例して多くなってきているので大変です。
今はもう、あげる予定の作品を時間がある時にさっさと作り貯めといて、記事だけを書けば良い状態にして少しでも時短をはかってます。
いや、作るのはすぐ出来るんです。書くのに時間かかるんです。書きたいことが多いので文を詰め込んで、その上で取捨選択までしてるので、夕方くらいから書き始めてももう夜中やんけ!ってなるんです。
それに写真撮ったり図を作ったりなんかしてると、こだわり症な僕は何度もやり直すわけですね。全部自分が悪い。
けれども、それだけ自分がちゃんと納得できるものを書き上げた時、それをちゃんと見てくれる人がいるという喜びはいつになっても良いものですね。
「quick」みたいにならないよう努力はしたいと思います。
今回の一つ目の作品は『八橋(やつはし)』
8羽の鶴が翼同士でつながり、輪を作っています。
15cm角の水彩柄の折り紙から1羽5cm角となっています。
狂歌は「紫の野郎帽子の八橋や 七十過ぎて振袖の役」
「紫の野郎帽子」というのはこれまた話が長くなってしまいますが、女方の歌舞伎役者が身につけていた縮緬の手ぬぐいのことです。
寛永6年(1629年)、女性が歌舞伎を演じることを禁止されたため、女性役には前髪を剃り落としていない美少年が演じていました。これを若衆歌舞伎と言います。しかしこれもまた役者への男色(いわゆるLGBTのGです)により禁止されてしまいます。そこで、既に前髪を剃り落とした野郎頭の役者が女方を務めるようになります。これを野郎歌舞伎と言います。この時の役者が前髪を剃り落とした痕を隠すために用いたのが野郎帽子というわけです。
そんな野郎の、しかも70過ぎのジジイ年配の方が八橋という役を演じるという歌で、男色なんぞこれっぽっちも起きそうにないご苦労様ですと労ってあげたいですね。
ちなみに、八橋というのは調べてみたところ以下の演目に出てくる女性の名のようですが、僕に歌舞伎を解説するだけの力はないので直に見に行かれることをオススメします。
籠釣瓶花街酔醒 - Wikipedia
裁ち方図はこう。
実際の紙だとこう。
こちらも前回出てきた重ね折りを用いています。右上と左下が重なるように折ります。
今回は重ねる部分が離れているため少しわかりづらいですが、まず重ね折りをしない7羽を折ってしまいます。そうするとこんな感じになります。
そして左右の鶴と繋がっている部分が対角線になるように重ねます。具体的には、写真の赤丸と青丸がそれぞれ重なるようにぐいっと引っ張ります。
その結果、このように輪を作ることができます。
そしてこの重なった2枚を折り上げ、
形を整えると最初の写真のようになります。
これもまた、輪を作るために離れた両端をエイヤとくっつけてやるという点で、重ね折りが必要になるのですね。
しかしですね。
この「8羽」の鶴が「翼どうしでつながり」、「輪を形成している」という作品は、なんと、重ね折りを使わなくても作ることができちゃうんです。
その場合、裁ち方図はこう。
実際の紙ではこう。
長方形状に8つの正方形を配置すれば確かに翼どうしでつながっているのがわかります。
ただ、綺麗な輪の形になるわけではなく、やはり最初の長方形を記憶していて、このように少しいびつではあります。
写真では形を整えてるので割ときれいに見えますが、何も力を加えていないと自然に元の形に戻ろうとします。
けれど重ね折りをしないで済むというのはかなり強い利点といえます。
重ね折りはその名の通り紙を重ねて折る訳ですから、一枚の時よりも当然折り辛くなっています。紙が厚ければ厚いほど歪な形になり、作品全体の完成度にも大きく直結してきます。
そのため、連鶴では極力重ね折りを使わない作品の作り方を考えることも一つの課題と言えます。
八橋の場合、重ね折りを避けた案が結局長方形で歪ですから、まあこの作品に関してはどちらでも良いのかなという感じはします。
次に『布晒し(ぬのさらし)』
これも水彩折り紙15cm角から、親鶴7.5cm、小鶴3.75cmで、親鶴のくちばしと尻尾からそれぞれ3羽づつ小鶴が流れるようにつながっています。
狂歌は「顔みせや顔をさらして布晒 人も砧の何時も大入」
ヌノサラシという魚がいるそうです。
ヌノサラシ - Wikipedia
裁ち方図はこう。
実際の紙だとこう。
こちらは重ね折りを使用していない作品ですが、なんとなく八橋と形が似ていたので一緒に紹介しました。
羽数は7羽と多いもののつながり方は単純で、1羽ずつ丁寧に折っていけばそう難しい作品ではないかなと思います。
最後に今回の2つ。
布晒しの写真を撮るのが非常に難しいです。すぐ変な形になるし。
いかがでしたでしょうか。
昔のひとが考えたものをそのまま受け入れるのではなく、いかにして効率化できないか、もっと優れたやり方はないか、と画策するのもまた一つの楽しみですね。まぁもちろんこの八橋の別案は僕が考えたわけではなく、初出は岡村昌夫氏です。(ネットではよくそう書かれていますが詳細はわかりません。以前にも取り上げたこの本の著者です。)
そういえば今思い出しましたが、八橋はゲーム・アニメ『ラブライブ!』の登場人物の一人『小泉花陽(こいずみはなよ)』ちゃんの特技です。
かよちんかわいいかよちん。
ラブライブ!Official Web Site | メンバー紹介
以上で今回の記事は終わりです。ここまで読んでくださりありがとうございました。