連鶴 正十二面体
どうもAlissaです。
前回は正八面体と正二十面体の連鶴を作りました。記事はこちらです。
今回は正十二面体を作っていきます。
正多面体としては最後の立体になりますが、最後に回すだけのめんどくさい理由が書き連ねてありますので、興味のある方だけ読んでいただければと思います。
正十二面体を作る前に
いつも通り作っていく…と言いたいところだが、今回の正十二面体は今までの立体とは少し変わっている箇所がある。
それは立体を構成している面の形状。
立方体は正方形、正四面体・正八面体・正二十面体の3つは正三角形で構成されていたが、正十二面体の面は正五角形となっている。
正方形、正三角形の連鶴はこれまでの中で作ってきていたが、正五角形の連鶴は作っていない。
立体に入る前に、まずは平面から考えていく。
ストレートに正五角形を作る
正方形の連鶴は4つの正方形から、正三角形の連鶴は3つの菱形からそれぞれ作ることができた。

翼に当たるグレーの対角線が結ぶ形が正方形または正三角形になっている。
では正五角形の連鶴もこれらに倣って、対角線が正五角形になるように正方形や菱形を配置してみようか。

うーーーん。これは見た目も悪いし非常に使い勝手が悪い。
正五角形は内角の一つが108°なので正方形(内角90°)や120°, 60°の菱形ではうまい事ハマらないのである。
見てわかる通り中心の余白が無駄になっている。
そもそも108°という角度を正確に作図して切り出すことの難易度が高すぎる。
また、正五角形は平面充填が出来ない=このまま連鶴を多くつなげていくと無駄がでたり形が歪になる。
余白を無くすように菱形の形を108°, 72°に無理やり変えてみても、これも良くない。
菱形の対角線が短い方が翼になっている(長い方が頭と尾にあたる)ので、図形の取り回しがしにくい。
別の方法で正五角形を作る
そんな訳で、そのまま既存の形を正五角形に落とし込むアプローチでは厳しい。別の方法を考えるしかなさそうである。
うまくいかない原因はやはり角度。
使いやすい角度の正方形や120°, 60°の菱形でうまい事敷き詰めて正五角形の形状になるようにしたい。
だがそのまま5羽を繋げるのでは先ほどのように歪になってしまう。
正三角形の連鶴を作った時も、鶴の形が”正方形”という前提を緩和して菱形鶴にしたように、今回も前提を少し緩和して考えてみる。
次のアプローチは、正方形や菱形を”6羽”使って正五角形を作ってみることにする。
6羽を環状にしてから、1羽重ね折りすることで5羽の環状にする方法。
120°, 60°のひし形を正六角形の1辺になるように切り出し、1羽だけ重ね折りをすれば5羽が環状につながる。裁ち方図はこう。
めんどくさいので書いていないが、重ね折りする下2つのひし形の間以外は、ひし形を繋げるための余白を設ける。
重ね折りこそ増えるものの、60°系なので平面充填できこのまま数を増やしても平面上の不都合は起きない。
中心の六芒星型の空白部分が無駄になるのは変わっていないが仕方がない。
正方形で同じようにするならこう。六角形状よりも楽に切り出せるし、中心の余白も少ない。
余白を無くすように少し変えた形も考えてみる。
五角形連鶴を作る
これらの裁ち方図から作ってみた五角形の連鶴を載せる。
折る前の状態
ひし形鶴
正方形鶴1
正方形鶴2
完成品
ひし形鶴
正方形鶴
重ね折りを使ってはいるが、どれも見た目上は特に歪になることなく五角形を形作れている。
正確には鶴の翼同士の成す角が108°ではないので、"正"五角形とは少し違うと言えるのだが、
数学的に厳密でなくともあまり気にしないことにする。
ということで五角形を作れる裁ち方図の候補として3案をあげたが、
これらを活用して正十二面体の作成に入っていく。
正十二面体
正十二面体は正五角形の面が12枚、30本の辺、頂点は20個で構成されている。![]()
正十二面体 - Wikipedia
前回の記事で少し触れたが、立方体(正六面体)と正八面体が双対の関係にあるように、正十二面体は正二十面体と双対の関係にある。
つまりは正十二面体の展開図も正二十面体と同じく43,380種存在する。やはり全数探索は多すぎるのでいくつか試行錯誤しながら進めていこう。
案1
まずは、わかりやすく上半分と下半分に分けた展開図。
面削除するならこう。この展開図は計3面削除が可能。正二十面体でも展開図によっては3面削除できたのと同じ。
ここから、先ほど考えた6羽の五角形連鶴に落とし込むために、五角形を六角形に変換する。
五角形の1つの辺を2つの辺に分解し、重ね折りする前の状態に広げる。イメージとしてはこんな感じ。
展開図の五角形もすべて同じようにいずれか1辺を2辺に分解し、
六角形に広げる。
この時、元の展開図で矢印↔で結んでいるどうしの辺は、
五角形の時は重ね折りが必要な辺だったが、六角形に広げることで重ね折りなしで元々同一辺としてまとめることができている。
単一の六角形を考える時は重ね折りが必ず1つ増えていたが、全体の展開図に適用すると単純に六角形の個数分重ね折りが増えるわけではないためちゃんと考察する必要があるのが面白い。
また、今の展開図では矢印をつけた左下の青(重ね折りを広げた1辺)と右下の赤を重ね折りすることになるが、
3枚の重ね折りはきついので少し工夫する。
左下の青を無くす代わりに右の赤を復活させて、重ね折りしろにする。対称性も増して重ね折りも減らせてよい。
というわけでこの完成形を裁ち方図に起こすとこうなる。
菱形の一辺の長さをとして、縦:
、横:
スタートの展開図からも当たり前だが、縦横比が2倍近くになっている。六芒星の空白もありちょっと無駄も多いがこれはこれで良しとする。
重ね折りの本数の変遷はややこしいがこうなっている。
- 最初の五角形だけの展開図
本
- 面削除による削減本数
本
- 六角形に広げる操作による重ね折りの増加
五角形1面につき1本
削除後の五角形の数
本
- 六角形に広げた時に同一辺としてまとめることで削減
箇所
- 最後の調整で3枚の重ね折り(辺2本分)を減らして別の1本を増やして集約
ということで最終的にこの裁ち方図での重ね折り本数は本となる。
案2
案1と同じ六角形に開いた状態から、削除する面とかを変えてみたもの。
裁ち方図(途中経過の図は作成するのが手間になってしまったので省略する…)
案1に比べて、重ね折りの数は11本で変わらないが、縦:、横:
となっていて、少し横の長さを削減できている。
案3
次の案。縦に切り開いて伸ばした形の展開図。
面削除できるのは2面
この案では五角形から正方形鶴の方に開いてみる。
裁ち方図に合わせる形で
五角形を開いて寄せる。数字の6とか9みたいな形。
先ほどの面削除後の展開図から広げるが、この案でも広げる時に重なる赤と緑の↔どうしを同一辺でまとめられる。
さらに、重ね折りする両端を無くして重ね折りしろにする。
重ね折りの本数を減らすことができる。
この状態で正方形鶴になるように五角形を開くとこうなる。

裁ち方図。

重ね折りの数はこの案でも11本。ひし形鶴のときと変わらない。
ただ、正方形1辺の長さaとすると全体の大きさは縦:、横:
やはりひし形鶴のときよりコンパクトにできている。あちらは六角形の中心部分が無駄になっている分、全体の大きさがでかくなってしまうのが難点。
今回は案3で実際に作ってみることにする。
案1,2の考え方もいつか何かの折で参考になるかもしれない。
正二十面体連鶴を作る
裁ち方図を実際の紙に起こしたもの。
完成
横から
中には正十二面体ユニットを入れている。
正方形鶴は菱形鶴に比べて両端の翼間が短く、鶴同士が引っ張り合う力が強いので、頂点部分=結節点が尖りやすい。
間の切込みを深くしていけば形は整っていくが、当然ちぎれやすくなっていく。
今回の作品は形を保ったまま綺麗に作れたので満足している。
まとめ
展開図から裁ち方図に起こすにあたって、いかようにも工夫ができて考えを形にするのが難しかったですがこういうのが楽しいんだと再確認できました。
そのせいで前回の記事から期間も空いてしまったが、それがそのまま試行錯誤の表れなので良しとしましょう。
この記事で正多面体の連鶴、正四面体・正六面体・正八面体・正十二面体・正二十面体が完成しました。
次からはあまりカテゴリーにとらわれず自由に作品を作っていこうかと思っています。
それから、記事の執筆途中で今まで使っていたIPhone 11をIPhone 17にアップグレードしたところ、写真の解像度が爆上がりして仰天しました。
簡単にいい写真が撮れる反面、これまで雑に折っていた箇所まで鮮明に写真に映ってしまうので、誤魔化しがきかなくなると思うと怖いですね。
以上で今回の記事は終わりになります。ここまで読んでくださりありがとうございました。