連鶴 立方体(正六面体)
どうもAlissaです。
前回の連鶴記事では正四面体の連鶴について解説しています。
3編にわたって力を入れて書いていますので良ければ読んでみてください。
今回も同じく立体連鶴である立方体の連鶴を作っていきます。
作成
立方体は解説するまでもなく正方形6面の立体。
正六面体 - Wikipedia
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この立体を連鶴で表現していく。
前回正四面体を作るときはガチャガチャやってたら偶然出来上がったみたいな感じで書いてしまったのでプロセス重視で書いていく。
折り紙という平面から立体を作り出すために、まずは立体を平面=展開図にして考える。
その展開図を連鶴化したあと立体化していくわけだが、辺と辺をくっつける=連鶴で言うと重ね折りをすることで立体が組み上がっていく。
という流れで立体連鶴を作ることができる。
ということで展開図をまずは見ていく。立方体の展開図と言えばこれ。

この展開図を連鶴の裁ち方図にするわけだが、そのまま裁ち方図にすると少し無駄が出る。
今やろうとしている立体連鶴は1辺と1羽が対応するように作る。辺のつながりを表現出来ていれば面を表現する必要はない。
言い方を変えると、表現したい辺が含まれてさえいれば、展開図そのままの状態から面を削除してしまっても立体連鶴が成立するということになる。
具体的に言うと、普通のペーパークラフトのように立方体をくみ上げるのであれば最後の工程でfの面を蓋するように辺をくっつけるが、
特にこの緑のfの面は無くても、グレーの部分に接する赤い辺は他のa,b,d,eの面で補えているので削除しても立体連鶴の完成形には影響しない。

この考え方は辺で表現する立体連鶴特有ではあるが、これにより重ね折りを減らすことができる。展開図上ではfがいらなくなり、5面だけで作ることができる。

裁ち方図はこう。a~eの5面の各辺がグレーの辺に対応しているのがわかる。辺上の同じ数字どうしを重ね折りする。この場合計4か所必要になる。
上ではfの面を削除したが、他にもfを削除する代わりにb,dを削除する展開図でも立方体連鶴を作ることができる。a,c,e,f,をぐるっと一周させて端端の辺をくっつけるイメージ。

裁ち方図ではこう。2面を削除することで、重ね折りの箇所がさらに減っていることがわかる。
大事なのは、立体に対応する裁ち方図上のグレーの辺の本数が、重ね折りによる本数削減含めて元の立体と一致していること。
1つ目の例ではグレーの辺は16本で、重ね折り4か所
→残るのは12本で立方体の辺と一致する。
2つ目の例でもグレーの辺は13本、重ね折り1か所で残り12本となりこれも一致する。
これらの展開図裁ち方図を実際の折り紙にするとそれぞれこのような形になる。

1つ目の例では分かりづらいが、黄色の線の通りに切り込みが入っている。
実際に折りあげるとこのようになる。
確かにちゃんと立方体の形状に連鶴ができているのがわかる。
中にはこれまた布施知子氏のユニットを入れて形状を保っている。
二つの裁ち方図から作った立方体を横並びに。
見た目上はほとんど差はない。
少し数学的な話
ここらで面削除による辺の数や削除できる条件などをまとめておく。今後のためにも一般化して書いておこう。
数式をごちゃごちゃいじくったり図や条件をだらだら書いているので興味のない方は飛ばしてもらって構いません。
一般に多面体の辺の数は以下で書ける。
多面体を構成する角形が面の数
枚あるとき、すべての面をバラバラに分解したときの辺の数が
になる。
2で割っているのは、面をくっつけたときに隣り合う面が1辺を共有している重複のカウントを減らすため。
複数種類の多角形で構成される多面体はの和を取る。
今回のように1種類の多角形の場合は簡単で、四角形が6面あるので、辺の数は
となる。
同様に、展開図にした時の辺の数も考えると以下のようになる。
同じくすべての面をバラバラにした状態での辺の数から、平面上でくっつけていったときの共有辺の数を引く。
1つの面にもう1つの面をくっつけると共有辺が1つできる。
→さらに追加で1面くっつければ共有辺も1つ増える。
→全部で全面数個の共有辺ができているので、バラバラ状態の辺数から引けば先ほどの表式になる。
これはどの展開図でも成り立つ式である。
立方体で数えると、
となる。
立体を展開図に起こすためには、立体の状態から辺を切り開いて2本にするので、当然辺の数は増える。
逆に言うと展開図から立体にするには、切り開いた辺をくっつけて元に戻す、つまりは重ね折りする必要があるので、
これらの辺の数の差分がそのまま重ね折りの必要数になる。
重ね折りの本数
オイラーの多面体定理 (頂点の数を
)
オイラーの多面体定理の意味と証明 | 高校数学の美しい物語
を使って整理すれば重ね折りの本数はと表すこともできる。
数式をいじってこの表式を得たが、幾何学的な考察からでも同じく
切り開く本数重ね折りの本数
が得られる。
展開図の公式 | 平田浩一 ぼのぼ〜の ブログ
立方体で考えると7本の重ね折りが必要であることがわかる。
ここから先ほどの面削除による辺の数の変化を追っていく。角形の面を1つ削除した場合、1つの共有辺を残し、
本の重ね折りするはずだった辺を減らすことができる。
つまり、もともと7本必要だった重ね折りから、1面削除で-3本して4本、2面削除で-6本して1本まで削減でき、前章で例示した二つの裁ち方図の重ね折り本数になっている。
ここまでの話をまとめると、面削除後の重ね折り本数は以下のようにあらわせる。元の立体の頂点数
削除したn角形の面の数
次に面削除の操作・条件を考える。
- 共有辺1つ、残りが重ね折り辺の面を削除する。
- 隣り合う面を同時に削除はできない。(共有辺が無くなる)
これを、条件に合う面が無くなるまで続けることで最適な展開図を求めることができる。
(もしかしたらこの条件に当てはまらない立体があるかもしれないがその時は修正すればよかろう・・・)
ただ、この操作ではどの面から削除するかで最終形が変わってくる。
最初の立方体の展開図で、aを削除はできるが、残った形の対称性が低いのであまり使いたくはない。
またどの展開図からスタートするかでも全く異なる結果になる。
立方体の展開図は11種ある。

正方形と正三角形でできる立体の展開図、すべて思い浮かべることができますか?(横山 明日希) - 2ページ目 | ブルーバックス | 講談社
11種すべてについて同じように削除できる面を考えると、
1面削除の5面では下の6種(多分)

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2面削除の4面ではこの1種のみ。(多分)![]()
そ
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てんか
→
これは前回の正四面体の記事内で出していた裁ち方図と同じものである。
全ての立体で毎回展開図すべてから最適解を探していくのは大変だが有用ではある。
まとめ
前回の正四面体に続いて馴染み深く簡単な立体である立方体を作った。
前の章で長々と書いているのは結局のところ
効率良く綺麗な作品を作るにはどうすればよいか、考えるのに必要な準備といえる。
重ね折りはどうしても形が崩れたりする原因になりやすいので、自分は極力避けたいと考えている。
重ね折りを削減するためにはどうすればよいか、という思想で面を削除するなどの工夫や、スタートになる展開図をいろいろ変えて試してみる、という方策も必要になってくる。
ただし、上で見たように重ね折りが少なくなったとしても、裁ち方図があまり良い形にならないこともある。
2個目の裁ち方図の例では、45°のギザギザが多い。
紙の切り出しを下のようにすると、手間だし紙の無駄(斜め線部)も発生する。残った紙側も次に使いづらい。
折るときも折り筋をつけるのが面倒くさい。
その点1つ目の展開図からの裁ち方図は重ね折りこそ多いが切り出しが非常に容易なので、立方体を作るうえではこちらの方に軍配が上がるか。
このように、どのスタートから切っても一長一短があり、何が最適になるかを机上計算と実物とをにらめっこしながら考えていくプロセスが、これらの作品群を作るうえで最も楽しい要素の一つであると感じている。
次の記事も近いうちに更新出来たらと思います。
考えの整理という名目でやっているこのブログは、どうしても昔やっていたことの焼き直しが多いけど、できることを広げるためにも一つ一つ固めていくのが大事ですね。
以上で今回の記事は終わりになります。ここまで読んでくださりありがとうございました。